2019
SOUND OF YORO!
2019.10.19, 11.16 - 17
養老町旧佐竹家と、世界的に有名なアーティストの荒川修作氏とそのパートナーで詩人のマドリン・ギンズ氏の30数年に及ぶ構想を実現した、身体で直接体験できるアート作品「養老天命反転地」で、「音」のアートワークショップと作品にちなんだ「クイズスタンプラリー」を開催しました。
音のワークショップでは、「情報科学芸術大学院大学-IAMAS」の平林真実教授と、IAMAS出身で映画音楽なども手がけるアーティスト兼サウンドプロデューサーKafuka氏にご協力いただき、彼らのアーティストとしてのユニークな視点を基に参加者の皆さんが作品を完成させました。
また「クイズスタンプラリー」は、早稲田大学建築学科古谷・藤井研究室の協力の下、子供でも楽しみながら学べるアートワークショップを目指して、様々な仕掛けと工夫を凝らしたプログラムとしました。
アーティスト
kafuka(音楽プロデューサー)
本イベントの音楽制作を担当。ギターサウンドや自然の音、サンプリング、音響プログラムなども取りいれ様々な音をコラージュしオリジナリティさるサウンドを表現。エレクトリック・ミュージックを軸に新たな表現や世界観を探求している。
平林 真実(アーティスト/情報科学芸術大学院大学[IAMAS]教授)
本イベントのアプリケーション開発者。NxPC.Lab主催。研究領域はコミュニケーションシステム、実世界インターフェース・インタラクション。Web構造解析、位置情報ベースの研究/作品などをはじめ、近年は音楽体験を拡張するためのシステムの研究を行う。多数のクラブイベントでの経験を生かし、NxPC.Lab名義でクラブイベントを開催することで音楽会場で展開可能な実践的な展開を行っている。
早稲田大学建築学科 古谷誠章・藤井由理研究室
建築空間に関する幅広い研究はもちろん、つねにその成果を新しい建築のデザインに生かす実践的な設計・計画研究室であり、年齢、性別、国籍などの異なる多種多様なメンバーからなる。全国で地域を元気にする地域デザイン活動に中長期的に取り組み、その評価は高く、建築デザインにとどまらない地域活性化プロジェクトを得意とする。
1. 音採集ワークショップ at 旧佐竹家 2019.10.19
始めのkafuka氏によるレクチャーでは、音や音楽がどのようにできているのか、楽器による音だけが音楽ではないこと、身の回りの音でも捉え方次第で音楽になることを参加者の皆さんに説明があり、その後全員で養老町の古民家で音の採集を行い、アーティストによってその音がどのように音楽になっていくのか体験しました。Kafuka氏はその音を後日編集し、音楽のパーツを製作しました。
音楽についての新しい視野、視点を持つこと、養老町を普段とは違う見方で捉えるきっかけになるワークショップとなりました。
2. 音楽採集ワークショップ+スタンプラリー at 養老天命反転地 2019.11.16-17
「音」のワークショップでは、平林教授が開発したアプリの入ったデバイスを渡されます。アプリには最初にバックグラウンド音楽ともいえる音が流れていて、参加者が養老天命反転地内8ヶ所に配置したスピーカーから流れる信号をアプリで捉えると、各信号に対応したkafuka氏が製作した音楽のパーツが最初の音楽の上に重なっていきます。スピーカーに行く順番は個人が自由に決めるので、その過程で人それぞれで異なった音楽が作られていき、このワークシートを通じて、音楽を組み立てていく感覚を楽しみながら体験することができます。
また、スピーカーは反転地内でも特徴のあるポイントに置き、音楽のパーツを集めてそれらを周ることで、反転地を普段とは違う視点で捉えることができます。さらに音楽を集める前後には、音楽を聴くということを意識的に行ってもらうために、最初と最後の音楽を絵で表現する時間を設けました。
加えて、早稲田大学による「クイズスタンプラリー」では、参加者の皆さんにお配りしたデバイスポケットの付いたTシャツと地図にスタンプを押し、地図に書いてある反転地をより深く理解してもらうクイズでできたクロスワードパズルを解いてもらいました。こちらの企画は、申し込み不要でその場で参加できるようにし、より多くの人に反転地を普段とは違う視点で楽しんでいただきました。
kafuka 氏によって製作された音楽は、
ここでお聴きいただけます。
―主催―
メイドイン・ヨーロー!実行委員会
―協力―
kafuka(音楽制作)
―後援―
株式会社エルアンドシーデザイン
養老町教育委員会
養老公園事務所
―共催―
IAMAS/平林真実+NxPC.Lab
早稲田大学 古谷・藤井研究室
―助成―
公益財団法人アサヒグループ芸術文化財団